ユーロ紙幣は
5、10、20、50、100、200、500ユーロ
の7種類、
そのデザインはどの国も同じです。
各紙幣のサイズは
5ユーロから順に少し大きくなっています。
紙幣の裏面に用いられている
一連したデザインである橋は、
「過去から未来へかけられた橋」を意味し、
また同時に、
「統一したヨーロッパが文化遺産を共有しつつ、
ともに新しく出発する」
という象徴にもなっています。
紙幣の表には
文化遺産的なデザインが施されていますが、
固定した文化遺産や建築物、芸術作品を故意的に避け、
窓や門、橋などのモチーフは、
特定の国を関連づけず、
ヨーロッパいたるところで見当たりそうな
様式要素を表現したデザインとなっています。
また、
偽金、詐欺行為を防ぐために
最新技術を投入し、
視覚障害にある人々が
それぞれの紙幣を簡単に識別できるように、
各紙幣の大きさを変えたり、
大きく分かりやすい数字表示や色調で
種類が見分けられる配慮、
また
点字表示などの工夫も加えられています。
ユーロ通貨の補助通貨は「セント」。
ユーロ硬貨としては
2ユーロと1ユーロ
そして
1、2、5、10、20、50セントの
8種類が
作られました。
その色あいは
3種類に分けられ
1、2、5セントは赤い銅の色
10、20、50セントは真鍮の黄色
1ユーロと2ユーロは
ゴールドとシルバーのコンビネーションに
なっています。
表には
金額と地図と
EUの象徴である星が
デザインとして施されていますが
裏は紙幣と違い
各国の象徴がデザインとして用いられ
ドイツのコインは
赤色硬貨には柏の葉
黄色いコインにはベルリンのブランデンブルク門
コンビネーション硬貨には
国家の象徴である鷲の図柄が施され
その周りにはEUの12の星が
置かれています。
表にある
ユーロ導入国共通のデザインは
通貨コンテストに優勝した
ベルギーの通貨デザイナー
リューク・リュックス氏によるものです。
1セントはユーロ通貨の一番小さな単位で、素材には銅が用いられ、赤茶けた色をしています。大きさも直径16ミリ、2.3グラムと、ドイツの補助通貨ペニヒと色も大きさも同じで、かつてのドイツ通貨を懐かしく思い出すことでしょう。
2セントも1セントと同様、素材には銅が用いられ、赤茶けた色をしています。大きさは、1セントよりほんの少し大きい程度です。星の矢に浮かび上がるような地球儀は、世界におけるヨーロッパの位置を示しています。
5セントも1セントや2セントと同様、素材には銅が用いられ、赤茶けた色をしています。大きさは1セントや2セントよりひと回り大きくなっています。すべてのコインに刻まれた矢の先には12個の星が置かれ、EUを象徴しています。
10セントは、20セント、50セントと並び、硬貨の中堅クラスとも言えます。色は黄色い真鍮色で素材は合金、ニッケルを用いていませんからアレルギーの方も安心してご使用になれます。
20セントは、10セント、50セントとならび真鍮の黄色ですが、周りに「スペインの花」と呼ばれるカットを施し、視覚障害の方でも用意に識別できる気遣いが添えられています。
50セントも10セント、20セントと並び、真鍮の黄色をしています。この黄色は「北欧の金」とも言われています。また、EU国家のシルエットがモチーフとして描かれていることにもご注目ください。
1ユーロと2ユーロの二つの硬貨はコインの中でも一番風格を持ったデザインとなっています。この二つの硬貨は金と銀のコンビネーションが施され、1ユーロは中がシルバー、枠がゴールドになっています。偽造防止のために用いられた三段構造製造からは、ヨーロッパの最新技術を伺えます。
硬貨の中で一番大きい2ユーロは、直径26ミリ、重さが8、5グラムあります。この硬貨のデザインは、1ユーロとは逆の、中がゴールド、外側がシルバーとなっています。また、デザインに用いられた国々は国境を持たないEUを表現し、国境を持たない現代ヨーロッパの象徴とも言えます。
5ユーロは紙幣の中では一番小さな単位で、そのサイズも12センチx6.2センチと紙幣の中でも一番小さく、デザインも一番地味なものとなっています。
メインカラーはグレーで、描かれている門は古代様式、ギリシャ・ローマ様式です。これは、ヨーロッパの歴史のルーツともいえ、同時に、門は開放精神を示す現代のシンボルでもあり、今日のEUにおける共同作業(協力)を表わしています。
10ユーロはサイズは12.7センチx6.7センチ、最も顕著な印としては、濃厚な赤色をしていることです。丸いアーチ門はロマネスク様式で中世初期時代を思わせます。これは典型的な教会の建築要素であり、その歴史も1000年以上と大変古く、ヨーロッパ各地で見つけられる共通の文化遺産でもあります。ほかの紙幣と同様、EUの12個の星が描かれているのがご覧になれます。
20ユーロは青を基調とし、そのサイズは13.3センチx7.2センチです。モチーフにはゴシック様式が用いられ、表には窓の尖塔アーチ、裏には橋脚部分がゴシック様式で描かれています。窓は新世紀における統一ヨーロッパを見晴らすというシンボルでもあります。
オレンジ色をしているのは50ユーロで、14センチx7.7センチ、モチーフにはルネッサンス様式がデザインされています。ルネッサンスは中世から近代へ移行する時代であり、レオナルドダビンチやミケランジェロ、また、アルブレヒトデューラーの時代でもあります。ルネッサンスはイタリアで始まり、のちにヨーロッパ諸国すべてに影響を及ぼしたといえます。
100ユーロは、他の紙幣と見間違えることがないようにという配慮から、渋い緑色となりました。一つ小さい50ユーロがオレンジ、一つ大きい200ユーロが黄色ですから、その間で違いがはっきり感じられる工夫が施されています。サイズは14.7センチx8.2センチ、デザインに用いられた門はバロック様式であり、生の喜びを表現しています。
200ユーロは茶色い色調をふんだんに取り入れたイエロー・トーンに仕上げられた紙幣です。サイズは15.3センチx8.2センチとさらに大きくなり、そのモチーフには鉄とガラス建築が用いられています。裏面には、20世紀初頭にヨーロッパのあちらこちらで建設された鉄橋が描かれています。すべての紙幣の裏面に描かれている橋は、ヨーロッパの国民同士を繋ぐ象徴でもあります。
500ユーロは18センチx8.2センチと、価値も身長も最も大きな紙幣です。紙幣に1000は存在いたしません。500ユーロの特徴は紫色で、描かれた20世紀後期の現代建築が現在のヨーロッパの発展と今後の可能性を見事に描き出しています。