お買い物 ・・・ 食品プロダクト

 スーパーマーケットなどで商品棚をざっと眺めてみると、日本とまったく同じ商品が並んでいることもあれば、それが何か想像もつかないようなドイツならではの商品もあります。
 各メーカーのそれぞれの商品についての味や好みは買って試すしかありませんが、ここでは購入以前に知っておきたい商品の種類についてまとめました。
  食品に表示されている表示内容の詳細については「食品表示」のコーナーをご参照ください。
  また、一般的な食品名称のドイツ語訳はでいりーでいりーの「ドイツ語集」の食品コーナーにも細かく掲載していますので併せてご参照ください。

 

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牛肉

牛肉は食用としてと畜されるまでの年齢でグループ分けされます。

 

Rind
リント

一般に牛肉と呼ばれている肉。
生後18-24ヶ月の成長した肉用牛。
肉は赤みを帯び、牛肉らしい風味がある。

Jungrind
ユンク・リント

生後12ヶ月くらいまでの肉用牛。

Kalb
カルプ

生後3-5ヶ月くらいの肉用牛。
成牛に比べ肉の色が浅い。
肉は柔らかく淡白な風味。



豚肉

 豚肉は食用としてと畜されるまでの年齢でグループ分けされます。

 

Schweine
シュヴァイネ

一般に豚肉と呼ばれる成長した豚の肉。
調理用の生肉のほか、ハムやソーセージなどの加工品も豊富に出回っています。

Spanferkel
シュパン・フェアケル

生後6週間まで仔豚。
背肉のオーブン焼きや、丸焼きなどによく使われます。

Ferkel
フェアケル

まだ母乳を飲んでいる仔豚。



鶏肉

 ドイツでも鶏肉は好んで食され、生後何ヶ月でと畜されたかや産地などによって風味や使用目的も違います。

 

Stubenküken
シュトゥーベン・
キューケン
1ヶ月未満の若鶏。
フランス語ではpoussinとも言う。
えさを豊富に与えるので重さは200-600g。
肉は少し黄色味がかっていて柔らかい。
北ドイツ地方の郷土料理として有名。
Hähnchen
ヘーン・ヒェン
一般的に鶏肉といわれているもの。
重さは800gから2kg以上までとさまざま。
生後5週間から7週間で一般に出回る。
Poularde
プラーデ
ベルギーやフランスなどから来る食用鶏肉。
生後 7–8ヶ月の成鳥になる前にと殺する。
Suppenhuhn
ズッペン・フーン
スープストック用鶏肉。
重さは1-2kg。
生後12-15ヶ月で、身も硬くなっているので、ながく炊き込んでスープストックに使う。


とり肉

 ドイツでは鶏肉のほかに実にさまざまな鳥を食します。
 代表的なとりとその種類は以下の通りです。

Pute
プーテ
七面鳥

プーテは七面鳥のことでTruthahnとも言います。
七面鳥の胸肉は鶏肉に並んで大変普及しています。
クリスマス時期には丸焼き用も多く利用されます。

Baby-Pute
ベィビー・プーテ
まだ若い七面鳥。重さは2-3kg。小ぶりだが、味やジューシーさは成鳥よりも劣る。

Junge Pute
ユンゲ・プーテ
生後8週間くらいの七面鳥。重さは3-4kg。

Pute
プーテ
一番出回っている。生後9週間-5ヶ月。
メスで12kgくらいまで、オスで20kgくらいにもなる。
加工製品に使われることが多い。

Ente
エンテ

エンテは鴨のこと。鶏肉より少し高価でお客様のおもてなしやクリスマス料理として好んで用いられます。

Hausente
ハウス・エンテ
養殖の鴨で種類はさまざまですが北京エンテと呼ばれる種類が普及しています。
生後2-3ヶ月のJunge Enten/ユンゲ・エンテンは1.5-2kg、6ヶ月で3kgほどです。
かなり脂が乗っています。

Flugente
フルーク・エンテ
野生の鴨で生後4ヶ月ほど。
養殖と比べ脂が少なく筋肉質。
メスで2kgほど、オスで3-4kg。
Babarieenten/バーバリー・エンテが特に有名。

Gans
ガンツ
アヒル

ガンツはアヒルのこと。鴨よりも大きいので大人数で過ごすクリスマスの料理として好んで用いられます。

Frühmastgans
フリュー・マスト・ガンツ
生後3ヶ月ほどのアヒル。重さは2000g-3500g

Junge Gans
ユンゲ・ガンツ
生後9ヶ月ほどのアヒル。4000g-6000g

Hafermastgans
ハーファー・マスト・ガンツ
1歳年以上6000gのアヒルだが一般に出回るのことはほとんど無い。

Strauß
シュトラウス
ダチョウ
食用に用いられるダチョウは75kg - 100kgで肉の部分はそのうち50%ほど。
胸肉やもも肉をステーキやシチューなどに使用。
Fasan
ファザーン
キジ
キジはドイツでは野鳥料理としてよく使われる。
重さは700g-1300gほどで雌はやや軽く、肉も柔らかい。
Wachtel
ヴァハテル
ウズラ

ウズラは100g-150gほどと小さいが、柔らかく独特の味わいがある。

 



ソーセージ

 ソーセージ/Wurst/ヴルストとは、肉と脂、塩および香辛料を混ぜて腸詰にしたもので、肉は豚をはじめ、牛や仔牛、ラムや鳥肉などさまざまなものが用いられ、種類によっては血や内臓を混ぜ込んだものもあります。
 ドイツと言えばソーセージが浮かぶほど、ソーセージの多さで有名なドイツ。その数は1500とも言われています。ここではその中でも全国のお肉屋さんで置いているような代表的なソーセージをまとめています。

Rohwurst
ロー・ヴルスト

ローヴルストは生ソーセージの意味で、生肉、脂、香辛料を混ぜた種類。
そのまま食卓に出すタイプと乾燥させたり、燻製させたものがあります。

Mettwurst
メット・ヴルスト
豚の挽肉に塩や香辛料をふんだんに練りこんだもの。燻製または乾燥させ日持ちさせている。太いものはそのまま切って食したり、細い小さいものは酢キャベツと一緒に火を通して食べる。

Zwiebelmettwurst
ツヴィーベル・メット・ヴルスト
豚のあら挽き肉に玉ねぎ・脂・塩・香辛料を練りこんだもだの。
多くの場合が本物の腸ではなく筒状ビニールに入っている。
パンなどにどのまま塗って食べる。

Teewurst
テー・ヴルスト
豚肉(商品によっては牛肉)と脂をペースト状に練り、香辛料を混ぜ込みブナの木で燻製にしたもの。
多くの場合が本物の腸ではなく筒状ビニールに入っている。
パンなどにどのまま塗って食べる。

Salami
ザラーミ
サラミのこと。豚や牛の挽肉に脂・塩・香辛料を練りこみソーセージ状にし乾燥させたもの。大きさ太さは郷土によってさまざま。薄くスライスして食べる。
Brühwurst
ブリュー・
ヴルスト

ブリュー・ヴルストは茹でて作られたソーセージの意味で、牛・仔牛・豚の赤身と脂を練りこみ、塩・香辛料を加えて腸に詰め火を通したもの。日本で言うソーセージがこれに当たります。
茹でたり焼いたりして食べるも種類のものが多いですが、中には切ってそのまま食べるものもあります。
茹でるソーセージを食べるには、、水のときから浸して水を熱して茹でます、水の温度が高くなりすぎると腸が裂けて中身が出てしまい、風味が損なわれるので、あまり高い温度になるまで火にかけてはいけません。

Wiener Würstchen
ヴィーナー・ヴューストヒェン
ウィンナー・ソーセージ。
豚の赤身挽肉を羊の腸に詰め、燻煙してから茹でたもの。
食卓ではお湯で温めて出しますが、買ってそのまま食べることも出来、スライスして炒めるなどにも最適。

Nürnberger Bratwurst
ニュールンベルガー・ブラート・ヴルスト
ニュールンベルク風焼きソーセージ
豚肉を使用し腸詰した、グリルで焼くために作られたソーセージ。
ニュールンベルクで始まり、今では全国のスーパーでも置いている。
指ほどの大きさなので手軽に炒めて食べられる。

Frankfurter Würstchen
フランクフルター・ヴューストヒェン
フランクフルター・ソーセージ
豚の挽肉を羊の小腸に詰め茹でたもの。ウィンナー・ソーセージと似ている。お湯で温めて食べる。

Krakauer Wurst
クラカウアー・ヴルスト
クラクフ・ソーセージ
ポーランドのクラクフの伝統的ソーセージ。
本来のクラカウアー・ヴルストは、乾燥または燻製させた、4-5cmほどの太さのある短いソーセージで、スライスして食べるが、ドイツでは2cmほどの太さの焼いて食べるソーセージを指すことが多い。

Bockwurst
ボック・ヴルスト
ボック・ソーセージ
フランクフルター・ソーセージより粗めに挽いた豚肉を用いている。
お湯で温めて食べる。

Weißwurst
ヴァイス・ヴルスト
白ソーセージ
仔牛肉と豚の背脂、香辛料をペースト状に練りこみ豚の腸に詰めた15cmほどの太くて白いソーセージ。
ミュンヘンの伝統料理として有名でMünchner Weißwurst/ミュンヘナー・ヴァイス・ヴルストと言うこともある。
日持ちしないため、作り立てを食す。ミュンヘンでは白ソーセージは午前中に食べるといわれている。
75度の軽く塩を入れたお湯(人によってはレモンの皮も入れる)で10分ほど温めます。
白ソーセージにはsüßer Senf/ズューサー・ゼンフと呼ばれる甘口のマスタードを付けて食し、ブレーツェルや白ビールと相性が合います。


Bierwurst
ビア・ヴルスト
ビールソーセージ
バイエルン地方で生まれ全国で食べられている豚・牛・ハツを混ぜ込んだソーセージ。
脂の乗った豚肉、豚の腹脂、牛の赤身と豚または牛のハツを粗く刻んで混ぜ込んで作ったもの。
ソーセージとは言ってもハムの太さがあり、茹でず、ハムのようにスライスして食す。スーパーの商品棚ではスライスしてパッケージしたものが並んでいる。
ビールに良く合う。

Leberkäse
レバー・ケーゼ
南ドイツで作られ始め、全国で食べられているソーセージ。
ソーセージと言っても、四角い形をし、茹でずにオーブンで焼いて仕上げられているのでブリュー・ヴルストの仲間としては異色タイプ。
  牛肉と脂の乗った豚肉、ベーコン、水、たまねぎ、塩およびマジョラムをペースト状に練り、箱型に入れて周りが茶色く色づくまで焼いたもの。
  新鮮なうちは薄くスライスしてそのまま食べるが、ベルリンでは厚切りステーキするのが主流。

 

Kochwurst
コッホ・ヴルスト

コッホ・ヴルストは火を通したレバーやタン、またな肉などを材料に、血や煮こごり、ゼリーなどで固めてから再度火を通したり、燻製にしたソーセージ。

Leberwurst
レバー・ヴルスト
レバー・ペースト
たまに切って食す固めのものもあるが、ほとんどの場合はパンに塗るなどして食べるペースト。
レバーその他の内臓、脂、ベーコン、筋肉とマジョラムやタイムなど香辛料をペースト状に練りこんだものでレバーは含有量は10-15%。
高級レバーペーストはレバー以外の内臓を入れてはならないとされ、鴨レバーやアヒルレバー、ハーブ入りやトリュフ入りなども多い。
安価なレバーペーストは筒状のプラスティックやビンに詰められ、高級レバーペーストは缶詰になっている場合が多い。

Blutwurst
ブルート・ヴルスト
ブラッドソーセージ
豚の血、脂またはベーコン、香辛料などが混ぜ込まれ腸詰されたソーセージ。
フライパンで焼いて食べるタイプもあるが、茹でて食べるタイプもよく出回っている。
茹でて食べるタイプのブラッドソーセージは、茹でて皿に乗せ、腸に縦にナイフで切り目を入れ、中のソーセージをフォークで出しながら食べるジャガイモがよく合う。

Sülzwurst
ズュルツ・ヴルスト
煮こごりソーセージ
豚肉の粗く刻んだものや玉ねぎを煮こごりで固めたもの。
ビン入りなどが多い。



ハム

 ハム/Schinken/シンケンは日本でもハムと言われるものですが、日本では直径が大きくはスライスするタイプを総称してハムと呼びますが、ドイツでは作り方によってはハムの様でもソーセージと呼ばれることがあります。
  ドイツでのハムはシンケン、つまり豚のもも肉を指し、もも肉、すね肉など良質肉を使用し、塩水に漬け込み、ボイルしたり、燻製、また乾燥させるなどしたものです。
 ここでは一般に購入できる代表的なハムをまとめています。

Kochschinken
コッホ・シンケン

コッホ・シンケンは塩水で漬け込んだ肉をボイルしたもので、中にはボイル前に軽く燻製したものもあります。
代表的なコッホシンケンとしては、Prager Schinken/プラーガー・シンケン/プラハ風ハムが挙げられます。
コッホ・シンケンはあまり日持ちがしないので、食べる量だけをその都度買うようにします。

Rohschinken
ロー・シンケン

ロー・シンケンは、生ハムのことで、塩で漬けたのち燻製にしたり自然乾燥させたりしているので日持ちします。
作る工程で乳酸菌が活発になるのでより良い風味が出るといわれています。
高級生ハムは骨も付けたまま作られ、Knochenschinken/クノッヒェン・シンケン/骨ハムとも呼ばれます。

Luftgetrockneter Schinken
ルフト・ゲトロクネッター・シンケン

ルフト・ゲトロクネッター・シンケンとは軽く塩漬けにしたのち、ゆっくりと自然乾燥させるハムで、長期保存も可能で気候のよい南欧で作りやすく、イタリアのパルマハム/Parmaschinken/パルマ・シンケンやスペインのセラノハム/Serrano-Schinken/ゼラノ・シンケンなどが有名です。

Räucherschinken
ロイヒャー・シンケン

ロイヒャー・シンケンは燻製ハムのことで、冬の厳しい地方で、自然乾燥をさせるとカビが生えるために考えられたのが発祥です。
燻製にすることによって長期保存が可能となり、また独特の強い風味があります。
シュヴァルツヴァルト・シンケン/Schwarzwälder Schinken/シュヴァルツヴェルダー・シンケンなどが有名です。

Nussschinken
ヌス・シンケン

ヌス・シンケンは脂身のないヒレ肉の近くを用いた高級生ハム。色が鮮やか。

Lachsschinken
ラックス・シンケン
ラックスハムの生ハムことで、鮭の身のように色が鮮やかであることから、鮭のドイツ語であるラックスが名前に当てられている。
脂身のない豚肉を使用した生ハム。


 

 



チーズ

 ドイツ製やフランス製などヨーロッパ中から集まったチーズは実に多種多様。代表的なチーズをまとめました。

Frischkäse
フリッシュ・
ケーゼ

熟成工程を経ないたフレッシュ・チーズ。
クリーミーであっさりとした味わいが楽しめるが賞味期限も短い。
代表的なフレッシュ・チーズは以下の通り。

Quark/クヴァルク
牛乳を凝固させたもの。香りも味もほとんどない。ピュアなものとハーブ入りの2種類で売られている。ピュアはジャムと一緒にパンに乗せたり、ドイツのチーズケーキなどに使用。ハーブ入りはパンやジャガイモに乗せていただく。

Schichtkäse/シヒト・ケーゼ
クヴァルクをより硬くしたもの。カッテージ・チーズ。ケーキや料理に使用。

Mascarpone/マスカポーネ
イタリア産クリームチーズ。ティラミスなどに使用。

Mozzarella/モッツァレラ
火を通したりこねたりして作る固形チーズ。独特の弾力と歯ごたえが特徴。本来は水牛乳で作られるが、一般には牛乳で作られたものが普及している。トマト、バジルとともに食したり、ピザやグラタンなどに使用。

Ricotta/リコッタ
イタリア産の牛乳と羊乳から作ったチーズ。

Weichkäse
ヴァイヒ・ケーゼ

50-60%の水分を含んだ柔らかいチーズ。
表面に白いカビの幕が張っているのが特徴。
代表的ものは以下の通り。

Camembert/カマンベア
カマンベールチーズ。フランスのカマンベールが原産。
上品でマイルドな風味があり、「チーズの女王」と言われている。

Brie/ブリー
ブリーチーズ。フランスで千年以上前から作られていたと言われるチーズ。癖は少なく濃厚な味わい。

Gorgonzola/ゴルゴンツォーラ
ゴルゴンゾーラ。イタリア産のブルーチーズ。
世界三大ブルーチーズのひとつ。
青カビが多く辛味の強いものをピカンテ、クリーミーでミルクの甘味を残こしたものをドルチェと呼んでいる。

Feta/フェータ
ギリシャ産の白い四角いチーズ。
羊の乳(まれにヤギの乳)で作られ、塩味が強いものが多い。
ドイツ産やフランス産の牛乳から作られた似たチーズがあるが、2007年以降はフェータと商標できるのはギリシャ産のみ。

Schnittkäse
シュニット・
ケーゼ

きれいにスライスできる種類のチーズ。
スライスしてパックした商品も多い。
代用的なスライスチーズは以下。
Edamer/エーダマー/エダムチーズ
Gouda/ガウダ/ゴーダチーズ
Tilsiter/ティルジター
Butterkäse/ブッター・ケーゼ

Hartkäse
ハート・ケーゼ

熟成しよく乾燥したハードチーズ。
種類によって3ヶ月ほどの熟成で完成するものから3年以上熟成させるものまである。
代用的なものは以下のとおり。
Emmentaler/エメンターラー/エメンタール
Greyerzer/グリエール
Bergkäse/ベアク・ケーゼ
Chester/チェスター
Parmesan/パールメザン/パルメザン

 



マーガリン

 マーガリン/Margarine/マーガリーネは、植物油と水で作ったバターのような脂で、多くの場合がカロテンという緑黄色野菜に多く含まれている色素で食欲をそそる黄色に色付けしています。
 マーガリンの多くは四角や丸の薄いプラスティック容器に入れられて販売され、通常のものは、
なたね油、コーン油、ひまわり油などを混ぜたもが多く、そのほかに、ひまわり油マーガリンなどもあります。また、調理用やケーキ用、ヨーグルトを加えるなどして油分を少なくしたダイエット思考のものなども多く出回っています。
 マーガリンが生まれたのは100年以上も前の1869年のこと、当時フランスで不足していたバターの代替品としてナポレオン3世が募集し、採用されたアイデア商品だとか。
 カロリーは通常のものはバターとほぼ同じで100g中に約750キロカロリーです。
 炒め物などの調理に使用する場合は、水分を含んだものは焦げ付きの原因になるので純粋マーガリンを使用します。



バター

 Butter/ブッター/バター は、82%以上の乳脂肪が含まれているものを指します。
 ドイツのバターは日本のものとは違い、どのメーカーのものでも、冷蔵庫から出してしばらくするとナイフで簡単に削げるほど柔らかいものです。アイルランド産バターさらに柔らかく、冷蔵庫から出してすぐにでも簡単にパンに塗れます。色はドイツ製より黄色味がかっています。
  ドイツのバターは見た目や香り、味、 成分構成、水分の配分、柔らかさ、PH値などが検査されてから市場に出回ります。
  多くのバターは金や銀の紙に包まれ販売されています。
  包みにDeutsche Markenbutter/ドイチェ・マーケン・ブッターと書かれているバターは、牛乳または牛から取れた生クリームのみで作られ、毎月行なわれるバター品質検査で各カテゴリーとも4―5点以上を獲得している高級バターです。
  バターには以下のような種類ががあります。

Süßrahmbutter
ズュース・ラーム・ブッター
牛乳や生クリームなどで作られた、発酵させていないニュートラルなバター。
gesalzen/ゲザルツェンと書かれているものは有塩バター。
Sauerrahmbutter
ザウアー・ラーム・ブッター

生クリームやホエイから作り乳酸菌で発酵させたバター。
少し酸味のある。
パンに塗ったり調理に使うと美味しいが、ケーキ作りには不向きとされている。

Mildgesäuerte Butter
ミルト・ゲゾウアーテ・ブッター
ズュース・ラーム・ブッターに乳酸菌を混ぜた込んだ酸味のあるバター。
パンに塗ったり調理に使うと美味しいが、ケーキ作りには不向きとされている。
Butterschmalz
ブッター・シュマルツ
バターから作られた脂製品。
冷蔵庫に保管しなくても長期保存が可能。
フライパン料理などに使用。
Kräuterbutter
クロイター・ブッター
バターにハーブを練りこんだもの。
パンに塗って焼いたり、ステーキなどに付けて食べる。
そのほかニンニクの入ったKnoblauchbutter/クノーブラオッホ・ブッターなどもある。

 




 卵/Ei/アイ(買い物のときは複数でEier/アイヤーということが多い)といえば鶏卵を指します。
 鶏卵の殻の色は一般に白い色と茶色い色がありますが、この殻の色は、白いOhrscheiben を持つ鶏のほとんどが白い殻の卵を産み、赤いOhrlappen を持つ鶏の多くが茶色い殻の卵を産むと言われています。
 ですがこれらは純粋種の鶏においてで、それ以外の鶏の場合はどちらの色になる可能性もあるとのことです。また、珍しいところでは、Araukaner-Hühnerと言われる種類の鶏は、緑がかった茶色の殻の卵を産むそうです。
 




 一言で牛乳と言っても脂肪分などさまざまな違いがあり、また牛乳以外の乳で作ったミルクも多く出回っています。
  ここではその種類をまとめました。

Vollmilch
フォル・ミルヒ

フレッシュ牛乳。
乳脂肪分3,5 %以上

Fettarme Milch
フェット・アルメ・ミルヒ
低脂肪牛乳。
乳脂肪分1,5% ~ 1,8%
フレッシュ牛乳とロングライフ牛乳がある。
Magermilch
マーガー・ミルヒ
無脂肪牛乳。Entrahmte Milch/エント・ラームテ・ミルヒとも言う。,
乳脂肪分0,3 % 以下
H-Milch
ハー・ミルヒ

ロングライフミルク。LL牛乳。
143℃までの超高温で細菌を加熱処理したあと4℃~5℃に急冷蔵し滅菌しているため、通常の牛乳と比べ長期間保存が可能。栄養価は通常の牛乳よりはいくぶん落ちるとされている。脂肪分も牛乳と同様、数種ある。
ロングライフミルクは未開封では常温で数ヶ月保存させておくことが出来るが、一度開封すると、フレッシュ牛乳同様、2、3日のうちに使い切らなければならない。

Milchpulver
ミルヒ・プルヴァー

粉乳。
通常、牛乳に含まれている約87.5%の水分が3%にまで取り去っている。
ビタミンなどは通常の牛乳より少なくなるが長期保存が可能で、粉になった分軽いことからアウトドア食品として使用される。

Sojamilch
ゾーヤ・ミルヒ

豆乳。
豆腐を造る過程の、にがりで固める前の状態。
ピュアなものとココア味など加味されたものとがある。
製品によってはカルシウムやビタミンB12が加えられている。

Ziegenmilch
ツィーゲン・ミルヒ
ヤギの乳。
栄養価が高く、消化が良い。

 




 ミルクのほかに、ミルクから作った健康・美容飲料も豊富にあります。

Molke
モルケ

ドイツではミルクセラムとも呼ばれ、日本ではホエイ(英語の「whey」から)や乳清、乳漿などと呼ばれている。
チーズを作る際に出る水分で、その94%が水分、4-5%が乳糖で脂肪分をほとんど含まず、少し酸味があり、ビタミンB1、B2、B6やカリウム、カルシウムが豊富に含まれているので美容健康飲料として好んで飲まれる。少し匂いがあるのでフルーツ味などが加味されたプロダクトも多い。

Buttermilch
ブッターミルヒ

日本語でバターミルク。
いくらか酸味があり、牛乳がドロッとしか感じに見える。
バターを作る際に残る乳性液体に乳酸菌を加えて作られたもの。バターミルクには、牛乳の2倍のレシチンが含まれ、ビタミンA、Eも豊富なため、美容健康飲料として好んで飲まれる。
フルーツ味などが加味されたプロダクトも多い。

Kefir
ケフィア

ケフィアは、旧ソ連のコーカサス地方やチベットに古くから伝わるアルコール分を少し含んだ発酵乳。
コーカサス地方の人々が長寿であることから評判となり、フルーツ味などが加味された飲料として売り出されている。

 




 

ティータイムに利用するクリーム系製品は以下のようなものがあります。

Kaffeesahne
カフェ・ザーネ

コーヒークリーム。
Kaffeerahm/カフェ・ラームと呼ぶことも
乳脂肪は10–15 %。
サラサラしており、白が多いが、薄い茶褐色のものもある。

Schlagsahne
シュラーク・ザーネ
ホイップクリーム。
乳脂肪30–33 %。
よく冷やしてホイップしなければ黄色くポロポロと分離するので注意。
自分でホイップするものは、フレッシュなものとロングライフ系の2種類があり、押すだけでホイップクリームの出る缶入りインスタンもある。
Kondensmilch
コンデンツ・ミルヒ
コンデンスミルク。
日本では牛乳に砂糖を加えて煮つめた練乳を指すが、ドイツでは熱処理をしただけのものも含まれる。
煉乳にあたるコンデンスミルクはMilchmädchen/ミルヒ・メッヒェンなどの商品名で出回っている。

   



 乳製品コーナーを覗くと実にさまざまな商品が並び驚かされるばかりですが、乳酸製品には以下のようなものがあります。

Joghurt
ヨーグァト
ヨーグルト。牛乳にヨーグルト菌を加え発酵させたもの。
低脂肪のもの、穀物やフルーツを混ぜたものなど、さまざまな商品が出回っている。
Saure Sahne
ザウレ・ザーネ
サワークリーム。
生クリームに乳酸菌を加え発酵させたもの。
少し酸味があり、生クリームより少し固め。
料理やクッキーなどに用いる。
少し小さめのヨーグルトのようなプラスティック容器に入れて販売される。
Schmand
シュマント
サワークリームの一種。
生クリームに Lactobazillus-Kulturen hergestelltを加え発酵させたもの。
スープやソースのとろみ付けに使ったり、デザートの材料に用いる。
ヨーグルトのようなプラスティック容器に入れて販売される。
Crème fraîche
クレム・フレッシュ

フランス産のサワークリーム。ドイツでは一般的に普及しているので、売られている製品のほとんどはドイツ製。
少し酸味のあるクリームで、ピュアなもののほか、ニンニクやハーブを加えたものなど種類がある。
熱い料理の上に乗せて出しても凝固せず、スープやソースなどの味付けにもよく利用される。
少し小さめのヨーグルトのようなプラスティック容器に入れて販売される。

 



じゃがいも

 ジャガイモ/Kartoffel/カトッフェルは、Speisekartoffel/シュパイゼ・カトッフェル/食用ジャガイモやErdapfel/エド・アップフェル/大地のリンゴとも言われます。
 ドイツといえばジャガイモと連想されるジャガイモをよく食べる国。その品種は206種にも及ぶそうです。
  ここでは分類と主な品種をまとめました。

festkochend
フェスト・コッヘンド

:茹でても形が崩れないタイプのジャガイモ。
実は黄色い。
薄く切って使う料理に便利で、グラタンやポテトチップス、またサラダに向いている。

主な品種は以下の通り
Sigma/ジグマ
Belana/ベラーナ
Cilena/チレーナ
Filea/フィレア
Kipfler/キプラー
Linda/リンダ
Nicola/ニコラ
Princess/プリンツェス
Selma/ゼルマ
Sieglinde/ズィーグリンデ
Vitelotte/ヴィテロッテ

vorwiegend festkochend
フォアヴィーゲンド・
フェスト・コッヘンド

:茹でても程よく形が崩れないタイプのジャガイモです。
炒め物やフライドポテト、蒸かし芋、バーベキューなどに向いています。
市販のフライドポテトにはUkamaがよく用いられています。

主な品種は以下の通り
Ditta/ディッタ
Bintje/ビンティエ

Christa/クリスタ
Erstling/エアストリング
Gina/ジーナ
Frühe/フリューエ
Minerva/ミネルヴァ
Ostara/オスターラ
Rubinia/ルビニーラ
Sirtema/ズィルテマ
Ukama/ウカーマ
Aida/アイーダ
Connie/コニー
Grata/グラータ
Optima/オプティマ
Planta/プランタ
Quarta/クヴァルタ
Rumina/ルミーナ

mehligkochende
メーリッヒ・コッヘンド

長く煮ると煮崩れするタイプ。
実は白っぽい。
スープやシチュー、マッシュポテトに向いている。

主な品種は以下の通り
Agria/アグリーナ
Ackersegen/アッカーゼーゲン
Alma/アルマ
Anna/アンナ
Aula/アウラ
Cosima/コージマ
Erntestolz/エァンテシュトルツ
Fambo/ファムボ
Gusto/グストー
Hermes/ヘァメス
Welsa/ヴェルザ

上記の品種は、連邦品種管理局に登録されたものです。
この品種登録は30年契約とされ、30年が経過した品種はライセンスが切れるため品種改良者の意思によって抹消されることがあります。現在、Linda種は2007年1月には市場から消えることになっています。

なお、ジャガイモは、乾燥した冷暗所に保存します。
また、ジャガイモは有毒なアルカロイド配糖体を含んでいますので、調理の際には芽や緑色を帯びた皮は取り除きます。
特に自家栽培をした場合など、収穫期が早すぎると皮全体に有毒物質が含まれていることが多いのでご注意ください。