ベルリンの幼稚園事情

ベルリンの幼稚園

 英語でも使われているキンダーガーデンという言葉はドイツ語が語源で、幼稚園という意味です。ドイツ語のKindergarten/キンダーガーテンは「幼稚園」の総称のようなもので、ベルリンでは内容によって以下の言い方を使い分けています。どの幼稚園も、保育対象年齢から保育時間、授業内容、それぞれまったく異なります。入園前に確認してください。



キンダー・ターゲス・シュッテッテ Kindertagesstätte

 キンダー・ターゲス・シュッテッテは、通称キータ/Kitaと呼ばれ、日本にある幼稚園とも似たタイプのもので、キンダー・ガルテンの代名詞ともいえる内容です。市立や私立があり、私立はミッション系がほとんどで、民間企業の私立幼稚園はプライベートスクールの幼稚部を除いてはほとんどありません。



キンダー・ラーデン  Kinderladen

 キンダー・ラーデンはキンダー・ターゲス・シュッテッテと比べ、生徒数も建物などの施設も小規模な幼稚園です。父母が主体となって運営している場合が多く、掃除や朝食の下ごしらえなど、父兄の協力が必要とされる場合がありますが、その分他の父兄との親睦も深まります。ドイツ人との交わりを希望している場合、よい機会ともいえるでしょう。保育時間は各園まちまちですが、昼食を摂らず12時から13時ごろに解散になるところが多いようです。 また、小学校低学年を対象に「キンダー・ラーデン」ということばを耳にすることがあります。この場合の「キンダー・ラーデン」は「学童保育」を指します。小学校の授業終了後に学校外の学童保育に通うのですが、場所が午前中は幼稚園児のための「キンダー・ラーデン」で、午後に学童保育に使われているという場合もあります。



ミニ・クルップ  Miniclub

 教会などを母体とし、週のうちの数日間だけ開園しているような小さな集まりをMiniclub/ミニ・クルップと呼んでいます。保母も一人つきますが、補助的な役割を父兄が当番制で果たします。幼稚園を、後に通学する小学校という社会に慣れさせるための機関だと捉え、毎日通園させず、他の日を家庭で共に過ごさせたいという場合、理想的といえます。



ターゲス・ムッター  Tagesmutter

 ターゲス・ムッターは3人までの子どもを保育する「小さな保母」という意味のクライネ・ターゲス・ムッター/kleine Tagesmutterと8人までの子どもを保育する「大きな保母」という意味のグロース・ターゲス・ムッター/Groß Tagesmutterの2タイプがあります。区役所からの斡旋なので、保育費はどちらもキンダー・ターゲス・シュッテッテとどう金額です。
  クライネ・ターゲス・ムッターは一人の保母が自宅を開放している場合がほとんどで、ベビーシッターのような感覚で預けることが出来ますから、3歳未満の子どもを預けるにはアットホームで理想的といえるでしょう。
  グロース・ターゲス・ムッターの場合は、大きな部屋を所有している保母の自宅または、キンダー・ラーデンのような施設で保育が行なわれます。 対象年齢はそれぞれまちまちですが、生後数ヶ月から預けられるところもあり、公立幼稚園の保育部の枠が小さいので、ワーキングマザーの多くはターゲス・ムッターに申し込みます。 どちらのタイプも保母との個人的つながりが深く、子どものためには理想的といえますが、保母自身が病気になった場合など、代理がいないため急に休園になる場合があります。ワーキングマザーがターゲス・ムッターに子どもを預ける場合は、他にベビー・シッターを確保しておくなどの考慮が必要です。